能美市長賞
クロデメニギス(深海魚)
二宮 光彦
深海魚の写真集から面白いのを選びました。
細かい絵を描くのが好きです。
うろこと目をしっかり描きました。
「審査員講評」(秋元 雄史代表)
かなりの集中力で描いているのが感じられた。深海魚の胴体の部分だけ克明に描いているのが構図的に面白い。余白と密な部分の対比も造形的に非常に魅力的。造形力の高さとセンスの良さを感じる。全体的に絵としての完成度が高い。
審査員特別賞
のうだま_ 侍
納田 裕加
「のうだま」は、納田裕加が作る玉なので「のうだま」と名づけました。 生活するグループホームで夜な夜な糸を巻いて創作しています。使わな くなった糸の切れ端やフェルトの原毛を詰め込んでいます。10年間で 30作品制作しました。背中に刀を差した「侍」をイメージして作りました。
「審査員講評」(荒田 稔)
思いを巻き付けているかのような作業が面白い。立体でしか表現できない作品。ファイバーアートの原始的な形に、子どもの頃からの造形の衝動が表れている。刀をさしたキャラクターのようなイメージも目を引く。
女子6 人
佐山 祐介
昨年、94 歳で亡くなった祖母の若い頃の写真を元に描いた。当時は戦 時中で、長野県にある軍需工場で、同僚の女性達と撮影したと聞いて いた。戦時中で大変だったとはいえ、しっかりと女子会のように青春し ている若い祖母の姿に、微笑ましく思いながらも、どこかこそばゆい感 じをしながら描いた感覚は未だに残っている。
「審査員講評」(秋元 雄史)
祖母の戦時中の軍需工場の同僚の女性を描いているとのこと。六人並んでいるが個々の表情の表現も豊かに描かれている。キャラクターや抽象的な作品の中で、この作品はしっかりとした形態を表現しているのが印象的である。
でんしゃにのっていこう
小谷 嵩太郎
電車にかわいいモンスターがのっています。
「審査員講評」(佐久間 忍)
他の人がしないような技術を超えたクリエーティブな造形。子供らしいほほえましい作品 。「このままT シャツにして着てみたい」という直感で選ばせていただいた。
かつての私へ
櫻井 京子
【作者紹介】16 歳で、網膜色素変性症という難病が発病。徐々に視力を 失い、現在は両目とも失明。光も認識出来ない。絵の創作を始めたのは 全盲になってから。凸凹の触感を活用した貼り絵など全盲ならではの 表現技法を編み出しながら、今では 450 作品ほどを製作。2020 年からイ ンスタグラムも開始。作品の写真撮影を一緒に住んでいる家族が行い、 SNS 掲載等は東京で働いている息子が担当。身近なものを触ったり、昔 の記憶から作品作りを行うことが多い。好きなものは、春の匂いや鳥の声。 山菜と海産物も大好き。夢は絵本と詩画集を出版すること。
「審査員講評」(上出 惠悟)
現在は失明されておられるとのことで色の記憶だけで描いたとすればすごい。タイトルは “見えていたときの私” ということなのだろうか。想像を絶する感性である。こんな微妙な色彩をどのように描いたのか聞いてみたい。
環境問題
佐谷 香
地球宇宙に於いての様々な問題や活動と、 エネルギーの様なもの、または問題そのものを、 描けた様な気がする
「審査員講評」(山下 晴子)
宇宙の中の視点で地球環境を表現しているよう。書道のような動きのぐりぐりした渦巻のようなものは、壮大なテーマの象徴なのだろう。独特の色調に面白さを感じた。